年代測定研究部の教員が行っている講義
- 理学部地球惑星科学科専門科目

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1. 地殻進化学(選択)

授業の目的・ねらい

地球の表層を構成する地殻は過去約40億年にわたって進化を続けている。地殻進化の岩石学的要因を次の観点で解説する。

授業内容

①地殻を構成する物質:火成岩・変成岩・堆積岩の概観、岩石を構成する鉱物、 ②マグマの発生と固結:2成分系・3成分系の相図、マグマの発生と分化、マグマの結晶過程、マグマの多様性とテクトニクス 、③変成作用:変成反応の熱力学、変成作用の温度?圧力?時間経路とテクトニクス、日本と世界の変成帯、④地殻の物質循環と成長:地質年代測定法の概要、地殻物質の循環サイクル、最古の地殻と地殻の進化

2. 地圏環境化学(選択)

授業の目的・ねらい

地球環境の悪化が進む中で、 地球の姿を化学的にとらえ、それをベースに環境の諸問題を考えることは重要である。本講義では地球化学の基礎的事項を習得し、地球環境を探るための分析化 学的手法について紹介しつつ、人間活動と環境の関わりを解説する。

授業内容

①はじめに:地球の化学・地球の環境地球化学・環境化学 における分析化学、分析化学の概要、②地球化学の基礎:岩石圏(地殻の構造・化学組成/マントルと核の化学組成/火成岩の造岩鉱物/マグマの結晶作用など)、大気圏(大気圏の構造と役割/大気の化学組成/大気コロイドなど)、水圏(雨水/陸水/ 海洋/安定同位体と物質の挙動など)、③人間活動と環境:水質汚濁と水資源/土壤汚染/大気汚染/酸性雨/オゾン層の破壊/地球の温緩化、④環境の化学分析

3. 地質学実験(必修)(分担)

授業の目的・ねらい

特に地質図学、岩石鉱物の肉眼鑑定、岩石薄片の偏光顕微 鏡観察、化石の観察を通して、地質学の研究法の基礎を修得する。

授業内容

前期[地形図の基礎、地質図学の基礎(地層の見え方、層厚、断層、不整合)、空中写真判読、岩石・鉱物肉眼鑑定]、後期[偏光顕微鏡の基本操作、岩石・鉱物薄片の偏光顕微鏡観察、大型化石・微化石の観察]

4. 地質調査(必修)(分担)

授業の目的・ねらい

調査地域の地質とその成り立ちを現地野外調査を通して明らかにし、報告書を作成する。この作業を通し地 殻の構造や自然の営理についての理解を深め、自然観を養う。

授業内容

春季休業中に最低2週間、4人一組程度の班を構成し、指定 地域の野外地質調査を行い、地質図・断面図・層序表を作成し、調査地域の地質とその成り立ちについて論文形式の報告書を各自提出する。報告書の まとめに先立ち、発表会を行い、調査地域の地質について議論する。指摘された課題については逐次再調査を行う。

5. 地球化学分析法I及び実験(必修)(分担)

授業の目的・ねらい

地球化学をおこなうための基 礎的な化学実験法ならびにその原理を学ぶ。

授業内容

①測容器と天秤:測容器(ホールピペットなど)の検定と天秤の原理、正確な使用法を学ぶ。②岩石の化学分析:湿式分析および機器分析により、岩石の化学元素組成を決定する。
1) 原子吸光分析によるケイ酸塩岩石中のNa、K、Mg、Mnの定量:フッ化水素酸-過塩素酸による試料の分解/原子吸光分析によるNa、K、Mg、Mnの定量  2) 吸光光度分析によるケイ酸塩岩石中のP、Tiの定量  3) 湿式分析によるケイ酸塩岩石中の主成分元素の定量:炭酸ナトリウム熔融による試料の分解/SiO2の分離・定量/混合水酸化物の分離・定量/全鉄、 Al2O3、 MnO分離・定量/CaOのキレート滴定による定量

6. 地球化学分析法II及び実験(選択)(分担)

授業の目的・ねらい

最新の機器分析装置を用いてガス試料ならびに岩石試料を分析し、各装置の原理を学ぶとともに、装置操作に慣れ親しむ。

授業内容
  1. 表面電離型四重極質量分析計(THQ)の原理ならびに同位体希釈分析法
  2. 岩石試料 の分解ならびに陽イオンカラム分離
  3. THQに よるRb, Srの測定
  4. 誘導結合 プラズマ分析法(ICP-AES)の原理ならびに操作法
  5. ICP-AESによるSr, Baの分析
  6. 誘導結合 プラズマ質量分析計の原理ならびに希土類元素の分析
  7. 白狐温泉における地球化学的地震予知法の説明ならびにガス試料の採取
  8. ガスクロ マトグラフィ(GC)法の原理ならびに操作法
  9. GCによ るHe、Ar、N2、CH4の分析

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