年代測定研究部の教員が行っている講義
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1. 教養科目「年代を測る」

授業の目的・ねらい

時を正確に測ることは過去を調べる研究に欠かせない。ここで取り扱うのは、地球の形成から現在までの地球史に関わる年代測定である。地球の年代、岩石の年代、鉱物の年代、隕石の年代、遺跡から発掘された土器や人骨の年代、古代のヒッタイト人が使った鉄器の年代、古文書の年代、さらに刑事事件における遺体の生年や死亡年など、さまざまな試料の年代はどうやって測定されるのか。ここでは、年代測定研究の現状や成果を分かり易く解説し、年代測定の研究者を目指す、年代測定を利用する可能性のある、あるいは年代測定に興味を持つ学生に年代学の基礎知識を提供する。

授業内容

ここで取り扱うのは、地球の形成から現在に至る全地球史に関わる年代測定である。特に、日本最古の岩石の年代測定に利用されるウラン?トリウム?鉛法(CHIME法)と、最終氷期から現在の温暖期にかけての環境変動と人類の発展に関する年代測定に用いられる放射性炭素法の原理やさまざまな研究への応用を解説する。また、その他の様々な年代測定法と、それを利用した地球環境変動の解析研究の現状を紹介する。さらに、センター所有の日本には数台しかない加速器質量分析年代測定装置及びCHIME年代測定装置の見学を実施する。講義予定は、①年代測定の概要、②人類紀の年代測定?14C年代測定法、年輪年代測定法、TL年代測定法、その他の方法の原理と応用、③地球史の年代測定(1)?CHIME年代測定法、カリウム?アルゴン法、その他の方法の原理と応用、④地球史の年代測定(2)?表面電離型質量分析計を用いた年代測定法、ルビジウム?ストロンチウム法、ウラン?鉛法など、ICP質量分析計を用いた年代測定法の原理と応用、⑤地球の進化と年代、⑥人類の進化と年代、⑦地球物質循環と年代、⑧犯罪の科学捜査と年代測定、⑨加速器質量分析年代測定装置及びCHIME年代測定装置の見学、である。

2. 教養基礎セミナー「46億年の地球史」

授業の目的・ねらい

生命の発生・進化と繰り返した大絶滅は、地球史の中でも際だった大事件である。この原因としてスノーボールアース、隕石衝突、火山噴火、貧酸素化など様々な説が提唱されているが、未だに統一的な結論は得られていない。このセミナーでは、KT境界とPT境界の大絶滅およびカンブリア紀の大進化に焦点を絞り、講師の説明や配布資料に基づいて、原因説の長短を理解する。また、一つの事項を選び、その原因となる自説を構築する。これを通じて、課題設定・解決・結果発表と質疑応答の練習を行うことが主目的である。

3. 教養基礎セミナー「歴史を解き明かす自然科学」

授業の目的・ねらい

歴史を自然科学の視点から解き明かすことが最近活発に進められている。自然科学を基礎とした歴史研究の現状を調査し、どのような分析方法を用いて、どのような歴史があきらかになってきているかを、セミナー型式で発表し討論することを目的とする。本セミナーでは、歴史の範囲としては、考古学や文化財科学が対象とする比較的新しい、主として人類の歴史に絞る。

授業内容

歴史を自然科学の視点から調査し研究することとして、次のようなテーマを設定する。自然環境、食糧資源、人類の移動拡散、石器や土器の発展、年代測定、遺跡探査法、微量元素分析による真贋判定、邪馬台国の謎、など。これらのテーマについて、4名のグループで調査し、その結果の発表を行うと共に、それに対して質疑や討論を行う。

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